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iOS/Androidアプリ内課金をRevenueCatで統合管理!GLOBIS 学び放題が開発工数を大幅削減

株式会社グロービスは、定額制動画学習サービス「GLOBIS 学び放題」のiOS/Androidアプリにおいて、アプリ内課金システムにRevenueCatを導入しました。当初、Androidアプリには購入動線が実装されておらず、iOSアプリのコードベースも老朽化していたことが課題でした。しかし、RevenueCatを導入したことにより、開発工数の削減や保守性の向上、そして柔軟なプラン変更対応を実現。GLOBIS 学び放題におけるRevenueCat導入の背景や決め手、導入結果について株式会社グロービス デジタル・プラットフォーム部門 (GDP)  チームリーダーの山岸央青氏にお話を伺いました。

課題

──「GLOBIS 学び放題」アプリ開発における、当初の課題について教えてください。

山岸様:iOSアプリには既に購入動線が存在していましたが、Androidアプリには購入動線が実装されておらず、その開発が大きな課題でした。さらに、既存のiOSアプリのコードベースが古くなっており、保守性や拡張性の面で問題を抱えていました。そのため、リファクタリングも視野に入れる必要がありました。

──課題解決にあたり、どのような解決策を検討しましたか?山岸様:スクラッチ開発とRevenueCat導入の2択を軸に検討を進めました。もちろん、他のサードパーティ製課金システムも検討しましたが、社内での経験の有無やサービスの信頼性などを総合的に判断し、最終的にこの2択に絞り込みました。

導入背景

──RevenueCat導入の具体的な経緯について教えてください。

山岸様:Androidアプリへの購入動線実装について議論していた際に、チーム内のエンジニアから「個人開発でRevenueCatを使った経験があり、非常に開発しやすい」という提案がありました。これがRevenueCat導入のきっかけとなりました。

──その提案を受けて、どのように検討を進めましたか?

山岸様:スタッフからの提案を受けてから、決済チームを中心にRevenueCatの調査を開始しました。約1週間の調査期間を経て、iOSとAndroid両プラットフォームでRevenueCatを活用することで、開発効率と保守性の両面で大きなメリットが得られると判断し、導入を決定しました。

──導入決定からリリースまでの期間はどのくらいでしたか?

山岸様:RevenueCat導入決定後、まずはバックエンドの開発に着手しました。その後Androidアプリ側の開発が始まり、約半年でリリースができました。iOSアプリへのRevenueCat導入は、Androidアプリのリリース後に着手し、こちらは数ヶ月で完了しました。iOSアプリは既存の課金システムからの移行という形になったため、Androidアプリに比べると開発期間が短くなりました。

導入の決め手

──RevenueCatを選んだ一番の決め手はどこでしたか?

山岸様:Androidアプリの開発では、Play Billing Libraryの複雑さを理解していました。スクラッチで開発した場合、膨大な工数と複雑なメンテナンスが必要になると予想されたため、RevenueCatのシンプルなインターフェースと豊富な機能が魅力的に映りました。開発工数の削減効果は非常に大きな決め手となりました。

──iOSアプリ開発におけるメリットも決め手の一つですか?

山岸様:はい。RevenueCatはクロスプラットフォームに対応しているので、iOSアプリ開発においても開発速度の向上や保守、メンテナンスの工数削減が期待できました。Android開発のコードも参考になるため、スクラッチ開発からの切り替えは比較的容易になると考えていました。両プラットフォームでコードの一貫性を持たせることも、RevenueCatを導入する上で魅力的なポイントになります。

──スクラッチ開発と比較して、どの程度の工数削減になりましたか?

山岸様:スクラッチ開発ですと4ヶ月くらいかかると見込んでいましたが、実際は3ヶ月程度で開発を行うことができました。特にRevenueCatに関わる購入導線だけで見ると1ヶ月程度で作ったので、かなり開発速度は早かったと感じています。RevenueCatでの開発経験があるエンジニアがいたことも要因としてありますが、分かりやすいドキュメントも寄与したことで達成した工数削減となりました。

導入結果

──RevenueCat導入による具体的な成果を教えてください?

山岸様:Androidアプリの購入動線実装は約1ヶ月で完了し、当初想定していた3ヶ月から大幅に短縮、目標としていた工数削減を実現できました。スクラッチ開発ではPlay Billing Libraryへの対応や、サーバー側との連携など、複雑な処理の実装に時間を取られることが予想されていましたが、RevenueCatを使うことでこれらの作業を簡略化することができ、開発スピードを大幅に向上させることができました。また、iOSアプリのリファクタリングもスムーズに進み、結果として両プラットフォームで開発効率の大幅な向上が見られました。iOSアプリに関しては、元々3年ほど前に開発された古いコードベースを刷新する必要がありましたが、RevenueCatの導入によってコードの整理や簡素化が進んだことで可読性、保守性の向上に繋がりました。

──開発効率の向上以外に、RevenueCat導入によるメリットはありましたか?

山岸様:開発効率の向上以外にも、保守性の向上、そして将来的な機能拡張の容易性が大きなメリットとして挙げられます。iOSやAndroidのOSアップデートがあった場合でも、サブスクリプションに関してはRevenueCat側が迅速に対応してくれるため、私たちが作業をする箇所が一つなくなるというのは作業面でも大きいと考えています。

──RevenueCatを導入したことで、事業戦略の幅が広がったということはありますか?

山岸様:GLOBIS 学び放題では今後、新たな課金プランの追加や、より複雑な割引システムの導入などを検討していますが、RevenueCatの柔軟な設計のおかげで、これらの機能拡張もスムーズに実装できると考えています。スクラッチで開発していた場合、これらの変更に柔軟に対応することは難しく、多大な時間と労力が必要になっていたと思います。

RevenueCatについて

──RevenueCatの機能面での満足度と今後期待することはありますか?

山岸様:現状の「GLOBIS 学び放題」で必要な機能は全て網羅されており、非常に満足しています。ただ、Webサイト版「GLOBIS 学び放題」でも独自の課金システムを導入しているため、iOSとAndroid、Webの3プラットフォームで重複課金を防ぐ機能が提供されれば、Webサイト版もRevenueCatに統合できるため、非常にありがたいです。

──どのような課題を持っているサービスにRevenueCatをおすすめしますか?

山岸様:iOSとAndroidを両方提供していて、それぞれ別の課金システムをスクラッチで開発・運用しているサービスには特におすすめです。将来的に様々な課題が発生する可能性を考えると、早いうちにRevenueCatに置き換えることで、工数削減や保守性の向上といったメリットを享受できるでしょう。具体的には、iOSとAndroidの両プラットフォームでアプリ内課金を提供しており、かつ、現状スクラッチで課金システムを構築しているサービスには非常に有用です。また、開発メンバーが少ないチームにもおすすめです。少人数でiOSとAndroid両方のアプリ開発を行う場合、RevenueCatを使うことで開発工数を大幅に削減でき、コア業務に集中できるようになります。

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